起業する理由
「起業する」というと必ず
なんで?とか大丈夫?とか何やるの?
とか聞かれるので、自分の棚卸しの為にも書いてみることにした。
僕は社会人になってから会社、業界は変わってもずっと営業をしている。
営業を始めた最初のきっかけは営業がしたかった訳でもなく何となく稼げそうだったからだ。
しかし始めてみると、簡単には成果は出なかったが、やりがい、目に見える自分自身の成長を感じのめり込んでいった。
新卒で入った会社は200名程度の会社だったが、ある程度昇格すると数字だけでは昇格できない段階まで来た。
社内の上司を見渡しても、自分の漠然と描くロールモデルはいなかった。
(あれっ、俺ってこの会社で出世する為に働いていたんだっけ)
努力が成果に直結してきた一方、それは自分の成長曲線が緩やかになるサインでもある様に感じた。
(いかん、このままじゃいけない)
当時はそんな危機感を誤魔化すように毎晩酒を飲み、毎晩記憶を無くしていた。
そんな時に、以前から「独立する際は一緒にやろう」と言っていた上司が独立すると言う話を聞いた。
毎日記憶を無くすくらい悩んでいた私は、その上司から居酒屋で壮大な事業計画を聞いた瞬間に給与も聞かず入社を決めていた。
(その日も記憶を失った)
その会社はマンションの販売代理事業を行なっていた。
今まではデベロッパーとして自社のマンションを販売していたのだが、まだ数人の会社で自社物件を建てる資金もないのでデベロッパーから物件を卸してもらい販売していた。
飲食事業をやろうとして失敗した話や、その他色々あった話はここでは省略する。
2年程経って、会社の規模や事業、業務がいっさい変わっていない事に危機感を覚える。
今までは、営業マンとしてひたすら売っているだけで良かった(考えてなかった)のだが2名となるとそうもいかない。
なぜ上手くいっていないのか、事業は、会社はどうしていくのが良いのか?を考えるようになった。
事業として何をするべきなのか、会社としてどうあるべきなのか?
この頃から、ユーザー目線(お客様の為)よりも、事業目線(儲かるか)を優先する事に違和感を感じていた。
(※当然お客様の為になる物を売っていたし、事業が儲かる事も大切な事であくまでも考え方の違いだと認識している)
企業ができる提供価値に、お客様の価値観を合わせていくそんな感覚。
自社マンションではないので商品開発する事はできない、物件を卸してもらう会社を変えてもそんな大きな変わりはない。
当然商品以外にも営業マンとしての価値を発揮するという考え方もある。
しかし、別の物を売る事でもっと違う価値を提供する事が出来るのではないかと考えるようになった。
地方創生が騒がれている中で、東京の新築マンションを売っていた
地方の空き家が社会問題となっている中で、東京の新築マンションを売っていた
当然「売れる」のだから需要がある、必要としている入居者や、購入者がいる
世の中に必要とされる物を提供している
ただ、違和感はあった。
その頃、アベノミクス効果で不動産投資が注目され比較的売りやすい市場で
同業他社も乱立していた。
自分達の手で売らなくても、他の誰かが売る
自分達が売らなくても、購入できなくて生活に支障が出る程困る人もいないし、世の中にも迷惑をかけないだろう
だけど
世の中の空き家が増え、老朽化による倒壊や治安悪化などで被害を受ける人や
住む家を探す時、保証人が見つからなかったり、文化や言葉の違いから大家から断られすむ部屋が見つからない外国人がいる
不動産関係でも大きな課題を感じている人達はいる
世の中の課題を事業を通して解決出来ないか
・ハードルは高いが、それは自分達がやらなくてはいけない事(手が足りていない)
・とても不便な物を便利にする
といった目線から事業をしたい、ある物を売る事だけではなく
事業、サービスとしても世の中の課題、不便に対して価値を提供したい
(いかん、このままじゃいけない)※2回目
そこから、何かを誤魔化すように毎晩酒に溺れるのであった。
それが起業する理由だ